小児矯正はお子様の将来を想った期間限定の大切な治療です
〜歯科医師としての経験から皆様にお伝えさせて頂きます〜
私は大阪大学歯学部を卒業後、京都府にある総合病院の歯科口腔外科に勤務しました。
難抜歯や嚢胞手術など通常の口腔外科処置はもちろん、顔面外傷から腫瘍疾患まで幅広い分野に携わり、夜間救急や離島医療も経験しました。
その後、京都市内の大型歯科医院に勤務し、むし歯や歯周病はもちろんのこと、口腔外科で培った技術や全身の知識を活かし、インプラント治療でも難易度の高い症例を数多く施術してきました。
長年歯科治療を施して感じたことは、歯ならびが悪いとむし歯や歯周病への罹患率、重症化率が顕著に高く、被せ物を入れても長持ちさせづらいということでした。
それを感じてからは矯正治療にも幅を広げ、成人矯正や被せ物を入れる前の部分矯正なども手がけて参りました。
成人矯正では歯をならべるスペースを確保するため、歯を抜いたり、少量削ったり、奥歯を長い時間かけて動かしたりと、患者様の心理的にもできれば避けたい行程に出会うことがあります。
そんな矯正治療をしながら私は思いました。
「子供の頃からあごを適切に成長させる矯正を始めていれば、もっと楽に時間をかけずに、もしくは歯列矯正をせずに歯をならべられるのではないか。」
成人矯正では、どうしても限られたスペースに所狭しと歯をならべるイメージがあります。
小児矯正は、その限られたスペース、言いかえると歯をならべるための器を大きくする治療といえます。
この素晴らしさを実感してからは小児矯正分野にも力を入れ、何よりお父様・お母様に、顎の成長期の限られた期間にしかできないこの治療の重要性を知って頂きたいという気持ちが強くなりました。
お子様は今はまだ矯正の必要性やありがたみを実感できないでしょう。
小児の顎の発育は、歯ならびだけでなく、全身の健康、そして将来の顔貌までをも左右します。
実はこれらの親からの遺伝の影響は20%以下というエビデンスが出ており、80%以上は環境的な要因が関係しています。
小児矯正を始められたお子様は、大人になれば
「お父さん、お母さん、あの時矯正させてくれてありがとう」
そう思ってくれると私は確信します。
お子様の将来を想えるのは、お父様・お母様の特権です。
その将来を支えるお力添えができれば私も光栄です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
